KAZOKU 解説
ついに世界発信、英語アルバム発売!
苦節4年、念願の英語アルバムが手元に届きました〜
2013年10月、世界ベスト10ビーチにアジアから唯一選ばれたフィリピンのボラカイ島で
このプロジェクトははじまった。
2011年の東日本大震災、過酷な避難所ライブ、2012年突然の吐血とガン余命宣告からの復活を経て、
「生きる喜びをみんなに伝えていきたい!」と決断した。
オレは約10万人の日本人にそのメッセージを伝えてきたが、「日本人限定なのか?」という疑問がよぎった。
ふつうの歌手ならそれでいいだろうが、オレは世界100カ国以上を旅してきた。
戦争や内戦で家族を失った人々、飢餓に苦しむ人々、路上で眠るストリートチルドレン、
生きるために犯罪に手を染める人々、生死の限界で必死に生き延びようとする人々にもメッセージを届けたい。
「日本語だけじゃ届かない」
ボラカイ島ビーチフロントにある「ラ イスラ ボニータ」プリンセスルーム207号室(4000円)で、
オレは煩悶しながらAKIRA歌の英語訳をはじめた。
https://ameblo.jp/akiramania/entry-11626116703.html
翻訳はかんたんだが、歌として成立させるには、メロディーとの整合性、アクセントの置き方、
表現の柔軟性が要求される。
英語歌と日本語歌のもっとも大きなちがいは、1音に対して日本語1音、英語1単語がはいってしまう。
「わたしはだいち」が直訳の「I am land」じゃメロディーに対して字足らずになるのだ。
プロの翻訳者が英語から日本語に訳すには削ればいい。
しかし日本語から英語に訳すには言葉を増やさなくてはならない。
これは他人に任せられない。
それは新たな創作であり、作者以外できるものはいないのだ。
しかもメロディーのアクセントに合わせ、1行ごとに創作していかねばならない。
どれだけ改変したか、「ウレシパモシリ)で見ていこう。
I am the mother earth(わたしは大地)
I am the father sky(わたしは大空)
I am the grandma moon(わたしは月)
I am the grandpa sun(わたしは太陽)
I am the brother bird(わたしは鳥)
I am the sister flower(わたしは花)
And do you know what? I am you(そしてわたしはあなた)
この部分だけでもアメリカインディアンの「母なる大地、父なる太陽、祖母なる月、兄弟なる鳥、姉妹なる花」という思想を取り入れないとできなかった。
言葉の専門職である翻訳家は歌い手でもないし先住民の伝統文化や思想をしらないので、この翻訳は不可能だ。
はじめはちゃんとお金を払ってプロの翻訳家に任せようという選択肢もあったが、それはぶった切られた。
AKIRA歌を翻訳できるのは、オレしかいない。
ボラカイの美しいビーチをながめながら、1日10時間もかけて1曲を作り上げていく。
「家族」
https://ameblo.jp/akiramania/entry-11627662278.html
「The Profession」
https://ameblo.jp/akiramania/entry-11630988856.html
「Traveling man」
https://ameblo.jp/akiramania/entry-11634661696.html
「雲のうえはいつも晴れだから」
https://ameblo.jp/akiramania/entry-11635690419.html
さらに精度を高めるため、カナダ人教師ベッカに依頼する。
2016年の6月にベッカの住む富山県滑川市まで出かけていき、コミュニティセンターで、
土曜日は12:00~22:00の10時間、日曜日は9:00~22:00の13時間という
過酷な耐久レースでついに13曲を訳し終えた。
https://ameblo.jp/akiramania/entry-12170089266.html
さらにメロディとの融合を目指して、カナダ留学+歌手のおがわとーるに訳詞を歌ってもらい、
楽器の入ったオケをバックにデモ録音をしてもらう。
2017年1〜3月にスリランカで歌いこみ、動画を撮る。
中国語とスペイン語訳もネイティブの方々に依頼し、たなかしのに字幕スーパー付きでアップしてもらう。
2017年5月、札幌のスタジオ リュウスケで8日間かけてボーカル録音を終えた。
アレンジャーのリュウスケいわく、
「まるで最初から英語で書かれた歌じゃないかと思わせるほど、演奏とぴったりハマったので驚きです!」
アルバムのデザインはたなかしのだ。
ジャパニメーションでいこうとか、浮世絵風でいこうとか、いろいろ迷ったが、
最終的にはしのにデレゲート(全任委譲)して、すばらしいデザインに仕上がった。
歌詞ページは中国語訳ものせているので言葉数が多く、シンプルな色ちがいの和紙にしたのもよかった。
珠玉の名作たちを英語で聴くと、オレはなぜか泣いてしまう。
日本語で聴いても平気なのに、まるで初めて聴くような新鮮さがあるからだ。
これからどのように海外展開していくかはわからないが、世界発信への一歩を踏み出したことだけは確かだ。
グラミー賞、待ってろよ!
――― 歌詞ページはこちら ―――
KAZOKU
2017年11月リリース。13曲。2500円。